経営コムTOP > 企業別 経営戦略 > ドン・キホーテ 経営状況・分析
※(子)はドン・キホーテの連結子会社、(親)は親会社、(持)は持分法適用会社を意味しています。
ドン・キホーテについて
ドン・キホーテは東京都目黒区に本社を置くディスカウントストアをチェーン展開する会社。創業者は安田 隆夫、現在の経営者(取締役社長)は成沢 潤治。
ディスカウントストア『ドン・キホーテ』、『ピカソ』、コンビニエンスストア『パワーコンビニ情熱空間』、DIYチェーン『ドイト』等を展開。連結子会社に長崎屋、ドイトなど。長時深夜営業、圧縮陳列を特徴とするディスカウントストア『ドン・キホーテ』の運営が主軸。
差別化戦略
差別化戦略とは、ポーターの基本戦略のうちの一つで、業界全体の広い顧客をターゲットにし、他の企業が持たない特徴で他社との差別化を実現することで競争に勝とうとする戦略。
コスト・リーダーシップ戦略
コスト・リーダーシップ戦略とは、ポーターの基本戦略のうちの一つで、業界全体の広い顧客をターゲットにし、他社のどこよりも低いコスト実現をすることにより競争に勝とうとする戦略。
ドン・キホーテの戦略ポジション
ドン・キホーテの戦略上の特徴は差別化戦略とコスト・リーダーシップ戦略を併用している点です。
ドン・キホーテは従来のディスカントストア路線(低価格化路線)に加え、圧縮陳列や夜間営業などユニークな販売戦略を手掛ける差別化戦略をも図ってきました。
従来、商品の差別化の難しい小売業界においては低価格路線で推し進めるコスト・リーダーシップ戦略をとる企業が優位に立つのが一般的でした。ドン・キホーテの異色な点は低価格を実現しつつも、販売方法の差別化を図ることで差別化戦略をも実現している点にあります。
ドン・キホーテの強みの一つは、他のディスカウントストアと大きな差別化を図った販売戦略にあります。
ドン・キホーテの代表的な販売戦略として挙げられるのが圧縮陳列です。従来、ディスカウントストアをはじめほとんどの小売店は、店内を広く清潔に整理されたものとして扱ってきました。ところがドン・キホーテはそうした小売業界の常識を大きく打ち破り、店内にところ狭しと商品を並べ、意図的に煩雑なものへと作り変えました。
ジャングルのような煩雑な売り場を設けることで、買い物が一種のアミューズメントへと変貌します。煩雑な売り場には話題性のあるものを多く扱い、巧みなPOPで消費者の購買意欲を促進します。
さらに、圧縮陳列の巧みな点はアミューズメント性のみならず、コスト削減にも貢献しているところです。商品の陳列をあえて煩雑にすることで商品整理の手間が省け、人件費の削減にもつながります。
さらに、圧縮陳列はついで買いも促します。ドン・キホーテに行く消費者の多くは、何か目的のものを買いに行くというよりは、何か面白いものがないかなといった一種のアミューズメント的な要素を持ち合わせて来ます。迷路のような商品群をさまよううちに、本来必要でなかったものまでもつい買ってしまう、消費者の心理をついた巧みな戦略がそこには仕掛けられているのです。
圧縮陳列や夜間営業で若年層の顧客囲い込みに成功したドン・キホーテは次の手に出ます。07年10月、業績不振だった長崎屋を買収し子会社化。買収した長崎屋跡地に新業態のディスカウントストア『メガドンキ』を次々と出店しました。
『メガドンキ』は長崎屋跡地ということもあり、売り場面積は2,000坪以上と従来の『ドン・キホーテ』の約4〜6倍の広さ。従来のドン・キホーテのように圧縮陳列はしないものの、あえて煩雑な商品陳列をすることでコスト削減を図りました。
『メガドンキ』の主要ターゲットは『ドン・キホーテ』で取りこぼした30〜40代の主婦やファミリー層。生鮮品や日用雑貨に主眼を置き、低価格化路線を推し進めることでディスカウント色を全面に出しています。
『ドン・キホーテ』は圧縮陳列、夜間営業というユニークな店舗展開で若年層の顧客をつかみ、『メガドンキ』はディスカウント色を強くし、主婦やファミリー層をうまく取り込みました。アミューズメントとサービスを時流に合わせて展開してゆくその手法は、まさに巧みと言え、販売戦略において差別化を図った好例とも言えます。
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