ユニクロの経営戦略を独自に分析しました。

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ユニクロ 基本企業データ

ユニクロ

※(子)はユニクロの連結子会社、(親)は親会社、(持)は持分法適用会社を意味しています。

ユニクロについて

ユニクロは山口県山口市に本社を置く衣料品販売チェーン。創業者は柳井 正、現在の経営者(取締役社長兼会長)は柳井 正。

衣料品ブランド『ユニクロ(UNIQLO』を全国展開。製造から販売までを一貫して行う製造小売業(SPA)にて事業を拡大。07年現在、日本国内で約760店舗、海外で約40店舗を展開。

ユニクロの経営戦略

経営コムが分析したユニクロの経営戦略

コスト・リーダシップ戦略

コスト・リーダーシップ戦略とは、ポーターの基本戦略のうちの一つで、業界全体の広い顧客をターゲットにし、他社のどこよりも低いコスト実現をすることにより競争に勝とうとする戦略。

 

差別化戦略

差別化戦略とは、ポーターの基本戦略のうちの一つで、業界の広い顧客をターゲットにし、他の企業が持たない特徴で他社との差別化を実現することにより競争に勝とうとする戦略。

 

ブルー・オーシャン戦略

ブルーオーシャン戦略とは、フランスINSEAD教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュにより2005年2月に発売された著書『ブルー・オーシャン戦略』により提唱された戦略。競争者のいない新たな市場でユーザーに高付加価値低コストを提供する戦略。

ユニクロの戦略ポジション

ユニクロの経営戦略はコスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略の複合によるものと分析されます。ユニクロの最大の特徴はSPA(製造小売業)にあります。

SPA(製造小売業)とは、企画から製造、販売までの機能を垂直統合したビジネスモデルのことです。ユニクロの場合、商品企画・生産・物流・販売までを一貫して行うSPAモデルを他社に先駆けて確立し、高品質なカジュアルウエアを圧倒的な低価格で提供することで飛躍的な成長を遂げました。

卸や商社など中間流通を自社で手掛けることにより、余分なコストをカットし、製品に転嫁することができます。その結果、他社と同機能の製品が低価格で提供できる仕組みになります。

ユニクロはSPAという差別化戦略をとることにより、同時にコスト・リーダーシップ戦略も実現しています。ユニクロの優れている点は、単に安売り競争をするのではなく、同業他社に先駆けてSPAというビジネスモデルを構築し、差別化することで、コスト優位性を確立している点です。

ユニクロの強み(競争優位性)

ユニクロの強み(優位性)

カジュアルウェアの高品質・低価格化路線

ユニクロの強みの一つとして商品の高品質・低価格化が挙げられます。ユニクロの商品がこれほどまでに多くの人に支持されるのは、価格が安く品質が高い点にあります。

ユニクロの高品質・低価格化路線を実現しているのが、先に述べたSPAです。中間マージンを排除することにより余分なコストをカットし、より品質の高い商品を低価格で提供することが可能になります。

また、ユニクロのもう一つの強みがカジュアルウェアに特化した点です。従来のアパレルメーカーはファッション性を重視するあまり、誰でも気軽に着れるカジュアルウェア(普段着)を軽視する傾向にありました。

ユニクロはそこに着目し、子供から大人まで気軽に着れるカジュアルウェアを低価格で提供することで多くの人のニーズを満たすようになりました。

新たな需要を生み出す努力をしている(ブルー・オーシャン戦略)

ユニクロのもう一つの強みが常に新たな需要を生み出す努力をしている点です。これはブルー・オーシャン戦略とも捉えることができます。ブルーオーシャン戦略とは、競争者のいない新たな市場でユーザーに高付加価値、低コストを提供するものです。

ユニクロは『フリース』をはじめ、保湿機能に優れた『ヒートテック』、『ブラトップ』、発汗性・防臭性に優れた『シルキードライ』、『サラファイン』など従来の衣料品にはない機能性を持った製品を次々と投入し、新たな需要を掘り起こしてきました。

ユニクロの強みは、こうした革新性にもあります。従来型のウェア販売に加え、こうした付加価値のある商品の創造も手掛けることで、他社との差別化を図り、その地位を確立しているのです。