しまむらの経営戦略を独自に分析しました。

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しまむら 基本企業データ

しまむら

※(子)はしまむらの連結子会社、(親)は親会社、(持)は持分法適用会社を意味しています。

しまむらについて

しまむらは埼玉県さいたま市北区宮原町に本社を置く衣料品販売会社。創業者は島村恒俊、現在の経営者(取締役社長)は野中正人。

日本で衣料品ファッションチェーン「しまむら」を全国展開。「アベイル」、「バースデイ」、「シャンブル」などの店舗も展開する。しまむらの店舗数は1,162店舗(2010年2月現在)。台湾にも30店舗近く展開する。

しまむらの経営戦略

経営コムが分析したしまむらの経営戦略

コスト集中戦略

コスト集中戦略とは、ポーターの基本戦略のうちの一つで、特定市場でコスト優位に立って競争に勝とうとする戦略。

しまむらの戦略ポジション

しまむらはコスト集中戦略の代表的な例と言えます。コスト集中戦略は特定市場においていかに他社よりも低いコストを実現するかに焦点が置かれます。

『ファッションセンターしまむら』は20〜50歳の主婦を主なターゲットとしています。衣料品業界において主婦層を主要なドメインとし、さらにその中で徹底したコスト管理を行い低コストを実現しています。

主婦層という業界内の特定市場に的を絞り、低コストを実現する。しまむらの経営戦略はまさにコスト集中戦略のお手本のようなものです。

また、しまむらはマタニティ専門店の『バースデイ』、服飾雑貨専門店の『シャンブル』、シューズ専門店の『ディバロ』、デイウェアショップの『アベイル』など業界内の特定市場に的を絞った専門店を展開しています。

さらにこれら専門店を一つの商業集積としてモール化してゆくことを計画しています。ファッションモールという考え方を取り入れ、商圏にあった業態を組み合わせ、地域のニーズに合わせた柔軟な店舗展開を試みています。

しまむらの強み(競争優位性)

しまむらの強み(競争優位性)

ローコストオペレーションと仕組み作り

しまむらの最大の強みはローコストオペレーションにあります。コスト優位性を保つ具体的な策としてポーターは、規模の経済の実現、経験曲線の活用、仕入価格削減、ローコストオペレーションを挙げています。

しまむらは特に上記に挙げたローコストオペレーションと経験曲線の活用に優れています。中国からの直接物流の比率を引き上げたり、物流センターの集約、徹底したシステム化・効率化の結果、物流コストを削減、パート社員の比率を80%近くにすることによる人件費の削減など様々な取り組みの結果、コストオペレーションの削減に成功しています。

また、しまむらの特徴として徹底した仕組み作りが挙げられます。(上記ポーターの具体策では経験曲線の活用にあたります。)

例えば、しまむらのマニュアルは優れたベテラン社員のやり方をベースとし、そこにパートや社員の改善提案を加えます。仮説→検討→実行→仕組化を繰り返し、しまむらのマニュアルは年々洗練されたものとなります。

しまむらのこうした仕組み作りはマニュアルに限らず、商品管理、物流、システム開発、店舗販売などしまむらのあらゆるシーンで見受けられます。しまむらの強みはあらゆるシーンでの仕組み化を試み、日々効率的なシステムを築き上げてきた点とも言えます。小さな改善の積み重ねが大きな成長の源泉となるのです。